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博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
最新ソリューションおよびプロフェッショナル人材などを紹介します。

Close Up!P Value Vol.14 プロデューサー編 NFTで拓くプロモーションの新たな可能性

総合制作事業会社である博報堂プロダクツは、18の事業本部にわたる幅広い領域でソリューションを提供しています。価値創造の中核を担うのは、90以上の専門職を構成する2,000名以上の人材です。

 

博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは各職種の提供価値をお伝えすべく、「Close Up!P Value」を公開中。デジタル、リアル、映像、コマース、先端テクノロジーまで、多彩なプロフェッショナルたちの姿を紹介していきます。そしてコーポレートサイトTOPICSでは、YouTubeで語られた内容をさらに深堀りするインタビュー記事を公開していきます。

 

Vol.14では、NFT(Non-Fungible Token)を活用したデジタルノベルティの企画から実装までを手掛けるMDビジネス事業本部プロデューサー、西澤 美咲が登場。Web3.0時代の技術で拓くプロモーション設計の未来を紹介します。

 

インタビュー動画はこちらからご覧ください!

 

NFTはこれからさらに面白くなる
プロモーションの可能性を広げるデジタル資産

――価値交換の新しい仕組みを生み出したWeb3.0領域の技術は、プロモーションにも新たな選択肢をもたらした。そのうちの一つが、NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)。従来のデジタルノベルティにおいて宿命的だった複製や不正流通のリスクを解消する技術だ。NFTを活用した企画、コンテンツ実装を手掛けるプロデューサーの西澤 美咲は、NFTならではの強みがプロモーションの幅を広げているという。

 

西澤:NFTは作成者や所有者についての情報が記録された、いわば証明書付きのデジタルデータです。デジタルでありながらコピーや改ざんが難しいという特徴があります。デジタルノベルティにNFTを活用すれば、クライアントは不正流通のリスクなく製造や輸送などにかかる物理的なコストを軽減でき、ユーザーは画像や音楽、ゲームなど様々なデジタルコンテンツを替えのきかない“モノ”と同じ感覚で所有できます。特に推し活やファン活など、特別感のあるモノを集めたいユーザーに訴求するIPコンテンツのプロモーションと相性がいいんです。

 

――NFT活用の好事例となったのが、映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』におけるキャンペーン。来場者記念特典として鑑賞方法別に2種類のNFT画像を配布し、2種類ともゲットしたユーザーにはコンプリート特典として、特別なNFT画像を配布するO2Oプロモーションだ。ファンが繰り返し劇場に足を運んで集めたくなるグッズとしてNFTを位置づけた。

 

西澤:従来であれば、コンプリート特典を配布しようとしても、映画鑑賞でゲットした本物の画像と複製された画像を判別することは困難でしたが、NFTであればデータそのものが証明書代わりになります。クライアントは届けたいユーザーに安全に特典を届けられ、ユーザーはこの施策でしか得られないデジタルの限定品を得ることができるんです。

 

MDビジネス事業本部 プロデューサー 西澤 美咲

 

――NFTの取得・保有に必要な仮想的な財布「ウォレット」として施策の軸を担ったのが、博報堂プロダクツ独自のソリューション「Cocollet®」だ。「Cocollet®」は一般的なウォレットと異なり、NFTを所有するだけではなく、NFTを複数集めることで新たなNFTを生成する「コンプリート特典機能」や、複数種のNFTから1種がランダムで当たる「くじ機能」など、多様な体験型プロモーションを実現する機能を備えている。

 

西澤:集める過程を楽しんでもらえる機能が「Cocollet®」独自の魅力です。たとえばくじ機能とコンプリート特典機能を活用すると、「来店時にNFTを取得できるくじを引けて、全種類のNFTを集めたユーザーには、店舗で特別な優遇を受けられるVIP会員証としてのNFTを発行する」といった施策で、来店促進に繋げることができます。また、NFTをユーザー同士で交換することもできるので、ファン同士の交流や友人同士のシェアを促すのにも活用できます。

 

――「Cocollet®」を利用するには二次元コード経由でメールアドレスを登録するだけ。ユーザーフレンドリーな設計を徹底した。

 

西澤:NFTはまだまだ馴染みがない技術ですし、利用できるようになるまでの手順が複雑であることが多いです。私自身、NFTに初めて触れたときには、英語のサイトに突然遷移したり、クレジットカードを登録しなければいけなかったり、戸惑うこともありました。そのような点を踏まえて「Cocollet®」のUI/UXは、技術に詳しくなくても手軽に利用できるサービスにしました。

 

――NFTの取引は一般的にブロックチェーンの利用手数料がかかるが、「Cocollet®」では手数料の発生もない。日本発ブロックチェーン「Sanpō Blockchain」を採用しているためだ。「Sanpō」は三方良しの意味。ユーザー、クライアント、そしてコンテンツホルダーの三者のメリットを実現する。

 

西澤:「Sanpō Blockchain」であれば、無償の交換のみ可能にして二次流通を行えない設定もできるので、コンテンツホルダーは安心して届けたいユーザーに届けられます。

 

――かつては投機的なブームが話題を集めたNFTだが、今ではNFTであることそのものがクライアントや生活者にとって魅力的に映ることはない。重要なのはNFTそのものの価値より、NFTを通じて実現するユーザー体験。NFTの投機的な面が注目されていた頃よりも、かえって自由な発想でプロモーション設計に生かすことができると西澤は感じている。

 

西澤:近年では、若年層を中心に意味消費やエモ消費、ヒト消費など、機能や価格面以外の価値を求める消費傾向が注目されるようになりました。ゲットしたことを自慢したくなったり、推しに貢献したことの証明になったり、ファン心をくすぐる仕掛けに活用しやすい「Cocollet®」にとっては追い風が吹いていると思います。

 

――今後も機能追加が予定されている「Cocollet®」。NFTはこれからさらに面白くなると西澤は語る。

 

西澤:今まではNFTを渡して終わりでしたが、今後はデジタルとリアルを融合させたプロモーションにも生かせます。たとえば会場で二次元コードを読み込むだけで参加できるNFTスタンプラリーを実施し、コンプリートしたユーザーだけが更に特別なNFTを楽しむことができるなど、体験型のデジタルギフトとしての活用も考えられます。

 

――インセンティブや販売品を手掛ける西澤にとって、NFTであっても提供価値は変わらない。

 

西澤:NFT活用は難解だと思われがちですが、実際はノベルティでエコバッグを作るのと同じレイヤーの話。どのようなモノやデザインであれば生活者の方の心を動かせるか、生活者目線で考えるという点は一緒ですから、博報堂プロダクツの強みが生かせます。今後10年で、プロモーションの一つの手法として当たり前にNFTが活用される。そんな新常識が確立されることを目指したいですね。

 

――プロデューサーとして将来のトレンドを見据えながら、クライアントと伴走する中で「この人に入ってもらってよかった」と思ってもらえるような価値を提供したいと語る西澤。西澤にとってプロデューサーの仕事は、未来に価値を継ぐ仕事でもある。

 

西澤:子どもが生まれてから、私たちの仕事は施策を通じてモノをつくって世の中に残すことができる、すごく面白い仕事だと改めて考えるようになりました。将来、子どもが大きくなった時に「これお母さんがつくったんだよ」と言えるものをつくりたいですね。

 

 

 

 

博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは、今回登場した西澤のインタビュー紹介動画も公開しています。こちらもあわせてご覧ください!

 

【Vol.14】YouTube動画はこちら

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