博報堂プロダクツは、昨年8月に業務提携を行った、国内最大級のバーチャルプロダクションスタジオ「HCA factory.」を擁する株式会社HCAと協働し、バーチャルプロダクション事業を進めています。
今回、革新的な映像技術であるバーチャルプロダクションの魅力を存分に詰め込み、HCAと博報堂プロダクツ両者がこれまで培ってきた技術力と企画力、クリエイティビティを追求したデモンストレーション映像を制作いたしました。新しい映像制作の可能性を感じていただけるこのデモンストレーション映像をぜひご覧ください!
バーチャルプロダクションとは、LEDスクリーンなどから映し出されるバーチャル背景と実際の被写体をリアルタイムで融合させ、まるでその空間で撮影したかのような驚きの映像表現を可能にした革新的な撮影技術です。バーチャルプロダクションを活用することで、大人数でのロケ地移動やスタジオでの大型美術設営、さらにその廃棄が不要となり、CO2排出量を削減した映像制作が可能になるなど、持続可能な未来に向けたサステナビリティの視点からも大きな注目を集めています。
バーチャルプロダクション撮影によって、映像制作は時間や空間の制約から解放され、天候やスケジュールに左右されることなく、臨場感あふれる作品が生まれます。環境光が美しく反射し、圧倒的な没入感を生み出し、リアルタイムでの色調補正によってリアルとバーチャルの境界が消え去る映像体験をお楽しみください!
HCA(i7グループ)×博報堂プロダクツで制作した
バーチャルプロダクションを使ったデモンストレーション映像です
※ぜひHD画質でご視聴ください。
時間と空間の制約から撮影を解放する
バーチャルプロダクションとは?
バーチャルプロダクションのクリエイティビティを追求
「DAZZLED」
バーチャルプロダクションを駆使した
「DAZZLED」の撮影手法を解説
「BEHIND THE SCENES OF DAZZLED」
今回ご紹介したバーチャルプロダクションのデモンストレーション映像は、映像制作の新たな可能性、未来を感じさせるものです。この革新的な撮影技術がもたらすリアルとバーチャルの融合は、想像を超える体験を提供いたします。ぜひ、これらのデモンストレーション映像をご覧になって、バーチャルプロダクションの魅力を体感してみてください。
今後、映像制作の現場でますます広がっていくバーチャルプロダクション。博報堂プロダクツは持続可能な未来を見据えた映像制作を通じて、新たな価値をご提供いたします。ぜひ、私たちにご相談ください。
コメント
映像ディレクター:映像クリエイティブ事業本部 藤本 萌代
広告の映像をつくっていると、予算の部分や表現の制限でここまで想像力を爆発させた映像シナリオを考えることは難しいのですが、今回「バーチャルプロダクションを使った、とにかくかっこいい見たことない映像」という大まかな企画段階から参加しました。つくり方の部分から井村さんにいろいろとご意見いただきずっと一緒に試行錯誤しながらつくってきた感覚があります。振り返るととても楽しく濃い制作期間でした。
バーチャルプロダクションの面白いところは立体視や錯覚・視差効果といった見ている人を“騙す”映像がその場でつくれるところです。
また想像し得る映像表現はバーチャル上ではほぼ可能なため、まさに想像力に歯止めがかからない、映像クリエイターにとってはとても贅沢な表現力を持つ武器になると思います。
私自身、今まででの演出作の中では自分の好みを映像に昇華することができた作品です。「DAZZLED」本編映像ももちろんですが「BEHIND THE SCENES」と合わせて見ていただくことで、その裏側や仕組みの理解が深まり、もう一度本編に戻って映像を見たくなるような作品になっていると思います。
映像ディレクター:映像クリエイティブ事業本部 賀内 健太郎
構成と総合演出を担当したので全てのプロセスに立ち会いました。
①バーチャルプロダクションは動画・静止画問わず、つくり手が思い描くイメージを忠実に実現するツールとして究極。そして、そのイメージにはほぼ制約が無い。
②たとえバーチャルプロダクション初心者でも、HACの皆さんのサポートにより、まったく不安なく欲しい(それを超える)イメージが獲得できる。
③どうなるか分からないロケや生成AIとは真逆の確実性と、撮影ならではの楽しさと、新鮮な刺激がバーチャルプロダクションにはある。だからクライアントも喜ぶ。
CG/VFXプロデューサー:REDHILL事業本部 槇野 貴紘
「DAZZLE」では、LEDウォールに投影されるCG映像が重要な役割を果たしています。
特に大変だったのは、リアルタイムでレンダリングするCGと、撮影される俳優などの実写映像を完璧にシンクロさせることでした。
VPでは人物もCGも全てリアルタイムで撮影・レンダリング・合成されるため、CGにはエラーの出ない精緻な調整とデータ量の大幅な軽減が求められます。またその上で、実写と馴染むほどのCGのクオリティが必要という、相反する課題を同時に解決する必要があります。
複雑な背景や人体モデルなどのディテールが多い場面では、どうしてもCGのデータ量が多くなるためリアルタイムでのレンダリングが難しくなりましたが、クオリティを落とさないよう一切妥協せず、試行錯誤しながらシーンの調整・最適化を徹底的に行いました。
最終的には、リアルタイムで生成されるCGが俳優の演技と完全にシンクロし、視覚的な違和感を感じさせることなく、まるで実際の抽象空間で撮影しているかのようなリアリティを持たせることができました。
このプロジェクトを通じて、バーチャルプロダクション技術が映像制作の新しい可能性を切り開くことを実感しました。
株式会社HCA 代表取締役社長
株式会社博報堂プロダクツ VPテクニカルスーパーバイザー 兼 映像事業戦略顧問
井村 宣昭氏
私自身も現役のカメラマンなので、照明やLED、アングルなど様々な視点での知見をもとに、色味や人物とLEDのなじませ方など、バーチャルプロダクションスーパーバイザーとしてハイクオリティな作品づくりが強みとなっています。
今回の作品では、私にとってもチャレンジに近いシーンも多く、冒頭のリボンの空間は奥行きを出すためパース感を重視。大きな手や板が倒れてくるシーンは、迫力を出すために、床LEDと天井LEDにもバーチャルプロダクションでの表現を駆使することによって、アングルとCGで試行錯誤いたしました。平面的なスクリーンだと、立体的な表現は難しいと思われがちですが、立体的な見え方が可能となっている為、幅広いクリエイティブに対応できます。また、グリーンバック合成とは違い、手持ちカメラを用いて自由度の高いカメラワークで撮影が出来るのもバーチャルプロダクションの面白さだな、と思います。賀内さん、藤本さんとアイデアを出しながら、再現できるギリギリを攻めたことにより、今回の映像制作では自分のナレッジもたまったと感じますし、表現できる幅がさらに広がりました。
関連サイト
プレスリリース:博報堂プロダクツ、国内最大級のバーチャルプロダクションスタジオ 「HCA factory.」を擁するHCAと業務提携、バーチャルプロダクション事業を本格スタート
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