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博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
最新ソリューションおよびプロフェッショナル人材などを紹介します。

ものづくりDNAで向き合う、中高生向け探究学習プログラム「Hasso Camp」

2024年6月からスタートした中高生向け探究学習プログラム「Hasso Camp」。博報堂DYホールディングスが社会貢献活動の一環として行うこのプロジェクトに博報堂プロダクツも参画し、社員が講師を務めるだけでなく、制作領域においてもWebサイトや印刷物など、複数の事業本部が関わっています。

写真左から、関根直紀(デジタルプロモーション事業本部)、酒巻俊哉(同左)、豊嶋帆奈美さん(博報堂DYホールディングス サステナビリティ推進室)、栗屋祐希(統合クリエイティブ事業本部)、菱沼敏章(印刷・什器事業本部)、田辺洋一(プロモーションプロデュース事業本部)
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博報堂プロダクツのサステナビリティ活動は、これまでESG(環境、社会、ガバナンス)に、ものづくりへのこだわりを意味する「プロダクトのP」を加えた「P+ESG」をテーマとして活動してきました。教育分野では、社員の専門性を活かし、地域の学校と連携したキャリア教育のサポートをしたり、サステナビリティに関する子ども向けの動画制作を手がけたりしてきました。

「Hasso Camp」においても、博報堂DYグループの強みである「生活者発想」と、博報堂プロダクツの専門性、実施力を掛け合せて、中高生の発想力を多角的に広げ、具体化するプロセスづくりに臨んでいます。「ものづくりへのこだわり」という博報堂プロダクツの強みを社会貢献事業の立ち上げに向けてどのように発揮したのか。「Hasso Camp」に関わった博報堂DYホールディングス及び博報堂プロダクツメンバーに話を聞きました。

 

 目次 

博報堂DYグループの強みを活かした社会貢献事業としてスタート

制作から運用まで、ワンストップで博報堂プロダクツが担当

建設的な議論からものづくりを進めていく風土

事業本部の垣根を超えて発揮するものづくりの専門性

サステナビリティは博報堂プロダクツの企業文化の根底にある価値観

 

 博報堂DYグループの強みを活かした社会貢献事業としてスタート 

博報堂DYホールディングス傘下の博報堂が2013年より実施してきた、中高生や企業向けの教育プログラム「H-CAMP」。それをもとに、博報堂DYグループ全体の取り組みとして内容を刷新したのが、「Hasso Camp」です。その狙いについて、博報堂DYホールディングス サステナビリティ推進室 豊嶋帆奈美さんは、次のように説明します。
「これまでも博報堂DYグループの中では、個社や個人といった単位の中で、社会貢献活動というのはたくさん生まれてはきていました。しかし、グループ全体としての取り組みが、まだありませんでした。そこで、博報堂DYグループの強みである“生活者発想”と“クリエイティビティ”、これを活かした社会貢献をできないかと考えて生まれたのが、今回の『Hasso Camp』です」

 

博報堂DYホールディングス サステナビリティ推進室 豊嶋帆奈美さん


不確実性の時代といわれる現代。まだ誰も解けていない問題について、自分の頭で考え、仲間と協力して答えを導き出す力を、「Hasso Camp」を通じて次世代に授けたいと、豊嶋さんは思いを語ります。

 

 制作から運用まで、ワンストップで博報堂プロダクツが担当 

博報堂プロダクツは、事業の立ち上げ段階から参画。Webサイトや印刷物、事務局マニュアルの制作、また実際に運用がはじまってからの事務局対応など、幅広い領域を担当しています。プロモーションプロデュース事業本部 田辺洋一は次のように話します。

「制作領域のみならず、運用部分までワンストップで対応できるという点は、博報堂プロダクツの大きな強みです。各事業本部とグループ会社セレブリックスの専門性を結集し連携しながら、細部まで考え抜いた上で提案するという制作へのこだわりも、本事業本部において発揮できたかと思います」

 

プロモーションプロデュース事業本部 プロデューサー 田辺洋一

 

 建設的な議論からものづくりを進めていく風土 

デジタルプロモーション事業本部 プロデューサーの酒巻俊哉は、「Hasso Camp」の新規サイト立ち上げにあたり、「早い段階からアートディレクターや、コピーライターなど、クリエイティブチームのみなさんに議論に加わっていただき、意見を交換しながら、サイトの方向性や構成を決めていきました」と説明します。そして議論の末に見えてきたのは、多方向のステークホルダーが関与するサイトだからこその、見せ方の難しさです。

 

デジタルプロモーション事業本部 プロデューサー 酒巻俊哉

 

「今回の『Hasso Camp』は、中学校・高校単位で実施する『Hasso Camp』と、長期の休暇期間中に高校生が個人で参加できる『Hasso Camp Project ミライ』の2つのプログラムが設けられています。そのため、サイトを見る方々も、学校関係者、中高生、保護者、はたまた講師となる博報堂DYグループの社員と、多岐にわたります」

 

 

デジタルプロモーション事業本部 プロダクションマネージャー関根直紀は、その課題を踏まえた上で、特にサイトの情報整理にこだわったと言います。

 

「一つのサイトで、異なるターゲットにそれぞれどんなコミュニケーションをするのか。また、前向きなアクションを促していくには、どのようなUI/UXにしていくと良いか。ボタンの色味一つをとっても丁寧に議論を重ねながら、制作していきました」

 

デジタルプロモーション事業本部 プロダクションマネージャー 関根直紀

 

Webサイトのアートディレクションを担当した、統合クリエイティブ事業本部 アートディレクターの栗屋祐希は、特にデザイン面でこだわった部分として、サイトのトップページに表示されるロゴのアニメーションをあげます。

 


「サイトのトップでカギカッコのロゴマークがじんわりと動いていますよね。このロゴデザイン自体は博報堂のアートディレクターの方がデザインしたもので、みんなで話し合っている雰囲気をイメージされて作ったそうですが、ではこのロゴを自分なりにどう解釈してサイトに落とし込むか、という段になったとき、カギカッコが動いていると、話し合っているというコンセプトやワクワク感が伝わるのではないかと思ったんです。さっそく、関根くんにアイデアを共有し、3DCGを実装してインタラクティブに動くデザインにした場合の実現可能性について検証しました」

 

統合クリエイティブ事業本部 アートディレクター 栗屋祐希


結果、3DCGだとコストや制作スケジュールが見合わず、サイトも重くなりすぎてしまうという懸念が。模索の中で静止画のロゴを動かす方法を選択、細かな調整を経て栗屋が当初から思い描いてきた表現が実現しました。

「クオリティ、コスト、スケジュールなどのバランスをトータルに見ながら最適な解を導き出すという作業は、デザイナー単独では無理で、関根くんたちと一緒に考えながら進められたからこそできたのだと思います」

栗屋の話を受け、事業本部の垣根を超えてフラットに議論し、制作を進めていける風土が博報堂プロダクツの強みであると、関根は話します。

「あれもダメ、これもダメと否定から入るのではなく、“こうやったらもっと良くなりませんか”という意見に対して、じゃあやってみようと、各事業本部の専門家たちが力を尽くしてくれる、そんな文化がプロダクツにはあると思います」

 

 

 事業本部の垣根を越えて発揮する、ものづくりの専門性 

Webサイトのほか、「Hasso Camp」のチラシやポスターの制作も博報堂プロダクツが行いました。印刷を担当した印刷・什器事業本部 菱沼敏章も、「良いものを作りたい」という制作チームの心意気を、印刷の面からバックアップしました。

<印刷物一例>



「今回のチラシやポスターは、色味が多いのと、グラデーションが多用されているのが特徴です。少し間違えると暗く転んでしまいそうな色味でしたが、色の多様さが、人それぞれの個性を表しているという制作の狙いをお聞きしていましたので、その意図をうまく汲み取りながら、良い発色が出るよう気をつけて作業を進めました」

 

印刷・什器事業本部 プロデューサー 菱沼敏章

 

事務局のマニュアル制作を担当したのは、カスタマーコンタクト事業本部。ディレクター保科祐介は、制作のこだわりを次のように話します。

<マニュアル一例>



「カスタマーコンタクトディレクターはゴールから逆算して、必要な作業フローに分解していき、各工程のルールを設定していくことを得意としています。今回の事務局のマニュアル制作に関しても、その強みを活かせたのではないかと思います。当マニュアルの使用者は事務局スタッフではなく、博報堂社員の皆様ですので、専門化しすぎないよう、視点を変えて見直し、表現を工夫するよう努めました」


このように、多様な専門性と実施力が発揮された今回の事例。豊嶋さんは博報堂プロダクツの制作へのこだわり、こしらえる力を実感したと言われます。

「こういう情報を伝えたいのですがどうすればいいでしょうか?といったざっくばらんなご相談をさせていただいたのですが、A案、B案、C案と、何パターンもデザイン案をご提案いただきました。

なるほどこういう表現があるのか!とワクワクしましたし、幅広いターゲットに対して、私たちが意図しているメッセージがしっかりと伝わるようなデザインをご提案いただいたなという印象がありました。今回は立ち上げから博報堂プロダクツさんに入っていただき、サイトやチラシ、ポスターなどを具体化していただきましたが、ものづくりのスペシャリスト集団として、サステナビリティ推進室としてはとても心強く感じていました」

 

 

 サステナビリティは博報堂プロダクツの企業文化の根底にある価値観 

博報堂プロダクツが創業時に理念として掲げた「こしらえる」という言葉には、「世の中のためになるものをこしらえることが、私たちのよろこびであり、存在価値であり、社会との絆である。」という想いが込められています。そのため、サステナビリティは、博報堂プロダクツが創業以来培ってきた企業文化の根底にある価値観です。

博報堂プロダクツの仕事は、そんな「こしらえる力」を活かして人の心を動かし、新しい行動を促すことであり、クライアントと共に、社会課題の探求と解決に向けてよりよい選択肢を広げていくことでもあります。具体的には、脱炭素イベント、環境配慮型グッズ製作、サステナビリティサイト制作、パーパス策定など、ニーズが高まるサステナブル領域でさまざまな業務やソリューションが生まれつつあります。

今後、日々の仕事一つひとつが、社会と経済の持続的な成長となるよう、社員への啓もう活動にも力を入れ、社員一人ひとりのサステナビリティ・アクションにつなげていくことを目指しています。

 

 プロジェクト参画メンバー プロフィール 

博報堂DYホールディングス

■サステナビリティ推進室

豊嶋帆奈美さん

キャリア入社後ビジネスデザイン局を経て、現部署では博報堂DYグループ全体のサステナビリティ推進を行っている。
 社会貢献活動として今年度より中高生向けの探究学習プログラム「Hasso Camp」を立ち上げ。本プロジェクトでは全体設計・運用・制作管理を担当。 

 

以下、博報堂プロダクツ所属

■プロモーションプロデュース事業本部

プロデューサー 田辺洋一

プロモーション領域全体の得意先とコア事業本部とのハブとなり、プロジェクトの企画~実施までの推進を担う。
近年得意先から増加しているサステナブル領域の問い合わせに対応するため、博報堂DYグループ、博報堂プロダクツの事例はもちろんのこと、他社事例も含め幅広く情報を網羅・提供し、豊富な知見でサステナブルな取り組みのサポートを行っている。「Hasso Camp」では全体の制作管理を担当。

 

■デジタルプロモーション事業本部 

プロデューサー 酒巻俊哉 

領域を問わず、包括的なプロデュース / プロジェクトデザインを担当する。ソーシャル領域での取り組みも多く、近年は博報堂と三井物産による脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」にクリエイティブプロデュースで参加。PoCから法人化までの事業検証期における、あらゆる手口を実装。「Hasso Camp」ではサイトの企画~制作~実装を担当。

プロダクションマネージャー 関根直紀

WEBやSNSなどのデジタル領域を軸にプロデュース/プロダクションマネージャーを担当する。

 

■統合クリエイティブ事業本部 

アートディレクター 栗屋祐希

新聞、雑誌、TVCM等のマスメディアから、デジタルコンテンツ、動画、イベントまで、あらゆるクリエイティブ領域のハブを担うクリエイター。
クリエイティブを強みに社内外のさまざまなサステナビリティプロジェクトにも参画している。近年は、得意先のサステナビリティの取り組みをクリエイティブでわかりやすくアウトプットすることや、ブロックチェーンを利用した社会テーマにおける共創プロジェクトなどに参画している。「Hasso Camp」ではサイトのデザイン全体のディレクション・制作を担当。

 

■印刷・什器事業本部 

プロデューサー 菱沼敏章

広告・プロモーションにおける、さまざまなプロダクトツールの提案〜制作・製造〜納品までのプロデュース業務を担う。
ものづくり領域におけるサステナビリティ意識が高まる中で、環境負荷の少ない印刷方法の提案や、再生紙やFSC認証紙といった環境に配慮した素材の選定など、顧客の要望に応じたサステナブルな印刷の実現をはかっている。「Hasso Camp」ではポスター・チラシといった告知物の印刷を担当。

 

■カスタマーコンタクト事業本部 

プロデューサー 保科祐介

顧客接点の最前線において、コンタクトセンター、フルフィルメント、キャンペーン事務局、行政機関の事務事業などの高度かつ複雑なBPO業務の入口から出口までを総合的にプロデュースする。
得意先課題の中で災害や疫病などの社会課題対応に関わる機会も多く、業務を通じて持続可能な社会づくりにも貢献している。「Hasso Camp」では事務局のマニュアル制作を担当。