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博報堂プロダクツの各コア事業が追求している専門技術を駆使した新しい取り組み、
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【P+ESG ACTION interview Vol.03】誰もが心地よく働くためには? 映像制作メンバーが考える働き方と未来

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博報堂プロダクツでは、2023年にサステナビリティ方針を策定し、社会の持続的な成長に貢献するためのサステナビリティ活動の取り組みを進めています。連載企画「P+ESG ACTION interview」では、サステナブルな社会づくりに貢献する、「P+ESG」の考え方に基づく、社員一人ひとりの行動や取り組みについてご紹介していきます。第3回目では、「P+ESG」から、「S(Society):誰もがいきいきと働ける社会へ」につながる、映像クリエイティブ事業本部(以下、映クリ)の有志メンバーによる「働き方と未来を考えるプロジェクト」をご紹介します。

 

 仕事と育児の両立に対する漠然とした不安の解消へ 

――どのようなきっかけで、「働き方と未来を考えるプロジェクト」が立ち上がったのですか。

金子:元々は映クリ内でネガティブな離職者を少なくするために僕らができることって何だろう?と数年前から色々と取り組み始めたことがきっかけです。映クリでも多くの女性が活躍しています。しかし、産休・育休を経て子育てをしながら仕事に取り組んでいる女性社員は少ないため、そのことを相談できる経験者が身近におらず、石黒さんから「女性の働き方に関する不安を解消したい」という思いを聞いて、事業本部全体で取り組んでいこうとなりました。

石黒:映像制作と育児の両立に対する漠然とした不安を少しでも解消するために、第1弾は同業他社ママのディレクターやデザイナーをお呼びして、「子育てをする先輩に話を聞くトークセッション」を開催しました。「子どもを産む選択のきっかけ」や「仕事面の変化」、「周りの人に理解してもらうために」など事前に集めた質問をもとにそれぞれの経験を話していただきました。元々は部署内向けのトークセッションだったのですが、金子さんから「他にも悩んでいる人がいると思うから、このトークセッションは事業本部みんなに開放したらどうか」と事前の提案があり、オンライン会議方式で実施し多くの方に参加いただきました。

 

――トークセッションを経てどのような反応がありましたか?

石黒:「子育てに対する漠然とした不安が具体化された」という声が一番でした。業界内のロールモデルとも言える方々の経験談を直接伺ったことで、働きながら子育てをしていく中でこれが大変なんだね、こんな風に寄り添えると良いんだね、と具体的な部分が見えたところが良かったです。

映像クリエイティブ事業本部 企画演出部 ディレクター 石黒 愛

 

 違いを理解し、お互いが気持ちよく働けるひと言を 

――トークセッションが第2弾、第3弾と続いたと伺いました。

金子:第2弾では、女性特有の健康問題や疾患に関して情報発信をされている女性医師の方をお招きしました。生理やPMS(月経前症候群)、妊娠といった「女性の健康」への向き合い方について、医学的な知見を専門家から踏み込んでお話を聞ける機会は非常に有意義だったのかなと思います。

石黒:映像制作領域における働き方の問題は、女性だけに限ったことではないという意識があったので、第3弾では、映クリのパパメンバーと人事メンバーのトークセッションを企画しました。仕事と育児の両立に奮闘するパパメンバーの話を聞き、「パパ頑張っているね」「そんなお休みの過ごし方をしているんだ」と参加者から反応があり、全く知らなかった一面も知ることができました。また、映クリのメンバーだけで話すのではなく人事の方にも参加いただき、会社としてどのようなサポートや支援体制があるのか、正しく知るきっかけになったと思います。

――これまでの取り組みを経てどのような変化がありましたか?

金子:全体的に「相手の立場に立つ」意識が強まったと感じます。女性医師とのトークセッションでは、蓋を開けてみると男性が数多く参加しており、「知りたいと思っていた」「こういう話を聞けて良かった」という感想があり予想外でした。聞くだけで全てが分かるわけではありませんが、理解は確実に深まりました。また僕自身もパパ社員の話を聞き、小さな子どもがいる女性社員だけでなく男性社員もよく気にするようになりました。

 

映像クリエイティブ事業本部 プロデュース三部 部長 金子 裕


石黒:お互いが気持ちよく働く上で+αのひと言が増え、「もしかしたら…」と想像力が働くようになったように思います。この取り組みに映クリのみんなが柔軟で協力的で、すんなりと受け入れてくれて、理解してくれようとしていることが嬉しかったです。はじめは内々の話だったのですが、本部長まで話が届き、企画協力など後押しをしてくれてとても心強かったですね。

――これからの展望について教えてください。

石黒:これまでは知る、理解するための取り組みが中心でした。これからは両立を後押しするための事例も作っていきたいです。映画やドラマなどの映像制作の現場に託児スペースを設けるなど先進的な事例も出ているので、その人たちに話を聞いた上でアクションにつなげていきたいねとプロジェクトメンバーと話しています。

 

 プロフェッショナルとしてあり続けるために -私の「P+ESG ACTION」- 

――働き方と未来を考える中で、大切にしたいことはありますか?

石黒:良いものを作ろうと思えば、ものづくりの仕事は限りなく時間を使えてしまうので、その中で「時間を区切って取り組む」を強く意識しています。後ろ髪を引かれるときもありますが、時間の感覚を研ぎ澄ませていくことがこれからすごく大切ですし、実践していくように心掛けています。

金子:僕らのプロフェッショナルとしての価値を発揮する上で、限られた時間の中で他より良いアイデアを提供し続けなければなりません。僕らの最大の強みはクリエイティビティを発揮する人財なので、ここで働く人たちが満足・安心して働ける環境づくりが大切だと思います。その一方で、働き方を一人ひとりが選べる時代だからこそどうしても甘えが生まれてしまいます。日々、メンバーとのコミュニケーションでその仕事はプロフェッショナルなのか?」と問いかけていき、仕事に対する向き合い方を啓発できるのではないかと思っています。

石黒:この取り組みを通して、誰もが何もあきらめず、思い切りこの仕事に打ち込む。若い世代が長く安心してこの仕事を続けられる環境を映像制作領域のみならず、博報堂プロダクツ全体、広告業界全体で生み出す一助になればと思っています。

 

【プロフィール】

映像クリエイティブ事業本部 企画演出部
ディレクター 石黒 愛
女子美術大学出身 2009年博報堂プロダクツ入社
 2010年映像クリエイティブ事業本部 企画演出部
映像の企画と演出に携わる。女性ものや美容系の案件を中心にどんなジャンルでも対応。

 

 映像クリエイティブ事業本部 プロデュース三部
 部長 金子 裕
 2010年 博報堂プロダクツ中途入社
 映像プロデューサー20年目。これまで様々な映像のプロデュースに携わる。