総合制作事業会社である博報堂プロダクツは、18の事業本部にわたる幅広い領域でソリューションを提供しています。価値創造の中核を担うのは、90以上の専門職を構成する2,000名以上の人材です。
博報堂プロダクツ 公式YouTubeチャンネルでは各職種の提供価値をお伝えすべく、「Close Up!P Value」を公開中。デジタル、リアル、映像、コマース、先端テクノロジーまで、多彩なプロフェッショナルたちの姿を紹介しています。そしてコーポレートサイトTOPICSでは、YouTubeで語られた内容をさらに深堀りするインタビュー記事を公開していきます。
Vol.10では、映像クリエイティブ事業本部の小野 文載、神田 蘭子が登場。プロデューサーとプランナー、ディレクター、異なる視点を交えて、CM制作の現場からリアルな最新情報をお届けします。
2人のインタビュー動画はこちらからご覧ください!
200本以上のプロデュース経験から
構想が最大化されるスキームを提案
――テレビCMを中心に、映像を軸としたソリューションを提供するのが、映像クリエイティブ事業本部だ。プロデューサーの小野はこれまで200本以上のCMを手掛けた経験を武器に、スタッフィングや予算・進行管理を通じて、制作物のクオリティをコントロールする。
小野:博報堂など広告会社のクリエイターに伴走し、構想を実装するのが私の役割。コンセプトに対して最適なプランナー、ディレクター、カメラマン、スタイリストなどをアサインしていきます。映像クリエイティブ事業本部には、100人のスタッフを束ねる大型案件から、撮影から編集を一人で完結するローコスト向けの案件まで、多彩なニーズに対応するクリエイターが在籍します。得意とする表現領域もさまざまなので、個々の特性を見極めてチームを編成することは、非常に重要です。
――数ある映像プロダクションの中で、自社の強みを生かしてプロジェクトを設計するのも、プロデューサーの役割だ。博報堂プロダクツの特長は「スピードと統合力」だと、小野は自負している。
小野:プロデューサーやプランナー、ディレクターが企画の初期段階から関わるため、高いスピード感を持って施策を推進できます。またSNS動画やライブ配信など、CMにとどまらないソリューションを社内で手掛けることができ、品質がバラつくことなく横断的にプロモーションを実施することも可能です。グラフィックやVRなど、私たちプロデューサーもそれぞれが得意領域を持ち、先進的な手法にも対応できます。
――小野がプロデューサーとして心掛けているのが、“提案力”だ。クライアントやクリエイターに最適解を提示することで、真の手腕が発揮されるという。
小野:プロデューサーという仕事は、人脈や相性に依存しがちですが、ニュートラルな視点で見ても優れたアイデアを出すのが、本来あるべき姿。最適な提案を積み重ねることで、「この人が言うなら正解かもしれない」という信頼が生まれ、はじめて関係性が強化されるんです。特にCMは、提案書や絵コンテにはないアイデアが、品質を高める上で重要です。例えば現場で偶然撮影できたカットを、編集プロセスで組み込み、クライアントに提案する。そんな“プラスα”の提案を大切にしています。
――アイデアが生まれる環境づくりにも、小野はこだわっている。全ての関係者が自由な発想を育める現場にこそ、新たなクリエイティブが宿るからだ。
小野:「誰がやっても一緒だよね」と思われては、私の存在意義はありません。企画から実装に至るまで、自分のアイデアをプラスに働かせることはもちろん、各クリエイターが自由に制作できる環境づくりも、私のミッションだと考えています。だからこそ、自分自身が率先して仕事を楽しむように意識しています。
――小野がCMという領域にやりがいを感じるのは、ソリューションとしての可能性が無限に広がっているからだ。
小野:視覚と聴覚を通じて何かを伝える映像は、子どもから高齢者まで、最も心に響かせられる表現であるはずです。テクノロジーの発達とともに広告手法は多様化していますが、映像そのものはなくならないでしょう。だから私は、有望なクリエイターと一緒に、今この世界にない作品に挑戦したい。チャレンジングな信頼関係を皆と築くことが、革新的な価値提供につながると信じています。
視点を変えると浮き上がる
新たな映像表現の地平
――クリエイターとして映像表現を追求する一人が、神田 蘭子だ。CMプランナーとCMディレクターという二つの能力を備え、案件によって柔軟に使い分ける。
神田:コンセプトや構成を考えるプランナーと、撮影・編集から納品までを担うディレクター。どちらか一つでコミットする案件もあれば、兼務する場合もあります。得意なトーンは、“可愛い”“エモーショナル”“シュール”など。キャラクターやアニメーションを取り入れることも多いです。
――2020年入社の神田は、3年目にして「ヤングライオンズ/スパイクス コンペティション2023」の日本国内予選において、フィルム部門でゴールドを受賞し、ヤングライオンズ本選へ出場。さらに「JAC AWARD 2023」のディレクター部門ではグランプリを獲得するなど、着実に実績を積み上げている。JAC AWARDの受賞作『はみ出しもの』は、性自認について話し合う親子の前に女装する男性が登場し、多様性を体現する存在かと思いきや、実は露出狂というストーリーだ。社会的なテーマにもユーモラスな表現でアプローチする神田のクリエイティブは、業界内で高い評価を得ている。
神田:JAC AWARD 2023のお題は「多様性」。重要なテーマでありながら、情報の飽和感もあったため、斬新な設定で視聴者を惹きつけたいと思いました。映像クリエイティブ事業本部では毎年、若手ディレクターの成長機会として「JAC AWARD」への応募を支援する風土があり、会社の代表として結果を残せたのは嬉しく思います。
――ユニークな発想力を強みとする神田だが、企画から制作に至る各レイヤーで、思考プロセスが変わるという。
神田:企画の段階では、クリエイティブディレクターが考案したキーワードやコピーを起点に、“言葉”起点で発想を広げます。ただ、最初から方針に縛られすぎると広がりがなくなるので、“ビジュアル”起点で視点を変えることも多いです。一方で制作段階では、演出コンテにとらわれず、撮影現場でふと思いついたシーンや演技を取り入れるなど、柔軟に発想をジャンプさせることを意識します。企画段階はロジック、制作段階は感覚での印象が大切なので、どちらかが欠落しないことを大切にしています。
――美大出身の神田は、もともとはビジュアルから発想するタイプのクリエイターだった。言葉からアイデアを構築する思考を身につけたのは、博報堂への出向経験が大きかったという。
神田:博報堂ではクリエイティブディレクターがコピーライターを兼ねていることが多く、彼らと日々接する中で、異なる思考法を身につけられました。特にプレゼンで求められる、企画意図をロジカルに説明する力は、クライアントへの提案の場面で役立っています。
――神田の最大のモチベーションは、CMの視聴者に思いが届くこと。人の心を動かす瞬間は、ロジックを超えた発想から生まれると考えている。
神田:SNSで自分の作品をエゴサーチし、ポジティブなコメントを見るのがやりがいです。演出の細かな意図に対して反響があると、やはり嬉しいですね。ヤングライオンズやJAC AWARDの選考では、社内の上司や同僚、経験豊富なプロデューサーのサポートもあり、制作に専念できました。私も入社5年目になるので、今後は後輩や周囲のスタッフに対し、リーダーシップを発揮していきたいと思います。
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