映像クリエイティブ事業本部とフォトクリエイティブ事業本部の共同プロジェクト「Next Film Lab.(ネクストフィルムラボ)」
第3弾となる今回は、玄光社の映像制作専門誌「VIDEO SALON」編集部から「ライティングで魅せる新しい映像をつくってもらえないか」というオファーをいただき、企画がスタート。「B/W」に続き、「2FACE」を制作しました。
同じ⼈物、同じ場所、ほぼ同じ動作、また作品の中で聴こえてくるセリフはBGMのみという中で、全く違う「顔」が映し出されます。その違いを明解に描き分けている立役者が「光」です。「光」次第で、同じ⼈物が全く異なる「顔=FACE」に映る、「光=婚約者ストーリー」、「闇=詐欺師ストーリー」として「光」と「闇」、二つのパラレルワールドでストーリーが展開していきます。
「2FACE」はこちらからご覧になれます↓
https://www.youtube.com/watch?v=bJJZgvuQPfU&feature=emb_logo
光の演出で、「婚約者の顔」「詐欺師の顔」がそれぞれのライティングで明確に描かれていくことに加え、カメラのアングル (⾼低差)もみどころのひとつ。ストーリーが進んでいくにつれ、 徐々にそのアングルが変わっていくことで互いのパワーバランスが逆転していく様⼦を表現。本編ではセリフもなくBGMのみ。直接語らなくても映像で伝えることで奥行きと深みを持たせる仕上がりになっています。
「VIDEO SALON」掲載記事はこちらからご覧になれます↓
[10月号記事連動動画]博報堂プロダクツ制作チームが「ライティング」をテーマに挑む新しい映像表現同じ人物、似た仕草。2つの顔が交錯するパラレルワールド | ビデオSALON
<映像クリエイティブ事業本部 ディレクター/中嶋 駿介より>
今回の制作はライティングによって印象が変わることへの⼤いなる実験でした。プランニング段階ではもっと極端に変えようと考えていたのですが、 ⼤津さんとテスト検証をしていく中で、ちゃんと⼈物の表情が⾒えることを基本にした上で細やかな光やちょっとした⾊遣いで⼈の顔がこれほど変わるんだと体感し、僕⾃⾝とても勉強になりました。 予算のある映画やCMがリッチに⾒える理由は、CG技術やカメラの画質などもありますが、やっぱり光=ライティングだと思います。 ただ当てるだけではなく、そこに込められた効果や表現意図をきちんと理解した上で⼤切に扱いたい要素だと思っています。
<フォトクリエイティブ事業本部 フォトグラファー/大津 央より>
今回の企画のポイントはライティングでの二つのストーリーの表現でした。 普段の仕事とは違い、VIDEOSALON編集部と撮影、照明機材を選定し、ビデオサロンの読者層にも⼿が届くことを意識しての撮影。 中嶋監督の演出意図からフィルターなどを⽤いた⾊彩での違い、影の強弱などで温かみのある婚約者パート、 おどろおどろしさのある詐欺師パート、二つのストーリーを同⼀の照明機材で表現していくのは実験的でした。限られた環境での撮影は試⾏錯誤であると同時に多くの発⾒がありました。