私たちプレミアム事業本部では、様々な素材で、ありとあらゆる製品をこしらえています。中でも縫製品は、多くの品目を扱っている代表的な製品です。Tシャツ、ブルゾン、トレーナーなどの衣料品はもちろん、バッグ、ポーチ、ペットボトルホルダー、タオル、手ぬぐい、ひざ掛け、マフラー、手袋、鍋敷き、ぬいぐるみ…と身近で様々なアイテムがある中で、どのように製品の安心安全を守っていくかというポイントをご紹介します。
縫製品は、ミシンで縫いますので、当然「針」を使います。私たちが作る縫製品は、数量が多いことから、家庭用のミシンの5~6倍の高速(1分間に5000針以上!)で動く工業用ミシンで縫製します。非常に高速で動きますので、実は・・・針が折れたり曲がったりすることはよくあります。
ですので、工場での針の管理方法によっては、縫製品も危険なものになってしまいます。もしTシャツに折れ針が混入していたら・・・恐ろしい話です。
今回は、縫製品に針を混入させないための取り組みについて紹介します。
ポイント①:まずは工場での針管理の徹底!
縫製工場では、1本1本の針の所在、状態などを管理記録しています。
1本の針の所在が不明、もしくは針の破片が行方不明、となると、製品に混入しているリスクが出てきます。
その可能性をいち早く把握するためにも、針管理は最も重要です!
縫製作業中、針が折れた場合、作業者は針管理責任者に申し出、破片を含めた折れた針すべてを渡します。
針管理責任者は、受け取った破片の針が、本来の長さ分そろっているかを確認の上、管理台帳に貼付し、新しい針を作業者に渡します。
このような管理ルールが、工場でしっかり守られているかチェックするのも
私たちの仕事です。
ポイント②:検針 KENSHIN
万全の針管理を行うことは当然ですが、それでも最終製品に折れ針の破片が混入している可能性はゼロとは言えません。そこで登場するのが、検針機です。
工場の検針機はベルトコンベア式で、針を探知するトンネル状のセンサーが備わっています。針を探知するとブザーが鳴り赤いランプが光り、ベルトコンベアがストップもしくは逆戻りするようになっていて、最終の箱詰めラインに流れないようになっています。
この「検針」によって、水際で針の混入をほぼ100%防止することができます。
私たちは、工場で使用されている検針機はちゃんと探知するか、メンテナンスや管理・記録はしっかりされているか、検針工程の管理方法自体に問題はないか・・・などをチェックし不備がないかを確認します。
余談ですが、実はこの「検針」、日本から始まったため英語でも「KENSHIN」と呼ぶようになったものと聞いています。
私たちのラボにもベルトコンベア式ではないですが、テーブル式の検針機と、ハンディタイプの検針機を所有しており、製品の検針はもちろん、サンプル段階での金属パーツの検針機対応の可否、検針機反応異物の検証などを行っています。
縫製品の「安心・安全」のため、「針」の管理と検針については細心の注意を払っています。