新たな体験価値でα世代・Z世代のマーケティングを切り拓く
ZEPETO PLANET-DIVING(プラネット・ダイビング)

ーメタバースアプリ「ZEPETO(ゼペット)」の公式開発パートナー

OUTLINE

α世代、Z世代を中心に、4億6000万人以上(※)のグローバルユーザーを抱えるアジア最大級のメタバースサービス「ZEPETO」。HAKUHODO-XRのメンバーである博報堂プロダクツは、2023年12月にZEPETOの公式開発パートナーとして、宇宙空間をテーマとしたオリジナルワールド「PLANET-DIVING」をリリースしました。今回、PLANET-DIVING実装に至るまでの背景を探ることで、今後の α・Z世代攻略マーケティングへの活用の可能性をメンバーに聞きました。
(※)2023年11月時点/ZEPETOによる

INTERVIEW

“新しい”だけじゃない。α・Z世代にアプローチできる将来性

ーPLANET-DIVING制作までの経緯を教えてください。

佐藤グローバルメタバースであるZEPETOが、日本国内でより幅広い認知と人気拡大を図るための開発パートナーを増やしたい、そのためにZEPETO上でオリジナルのワールドを制作してみないか、という話をいただいたのがきっかけです。博報堂プロダクツとしてもメタバース空間内でのゲーム要素を含むコンテンツ制作が初めての試みということもあり、我々の高い専門性と実装力を活かすべく、統合クリエイティブ、デジタルプロモーション、REDHILLといった複数の事業本部からなるプロジェクトチームを立ち上げました。

山村開発に当たりクリアすべきポイントがいくつかあり、その中でも重視されたのが「今までにない体験であること」と「高いクリエイティブ性」でした。さらに、ゲーム要素やコミュニケーション機能・・・と、ZEPETOで重視される要素を満たす企画アイデアをチームメンバーで何度も出し合っていました。

佐藤また、単にゲームだけで終わらせるのではなく、我々のビジネスにつなげるための仕掛け、マーケティング要素をプラスすることもスタートからの課題でしたね。例えば、ゲーム内で企業・ブランドとのコラボやキャンペーンを実施できたり、オリジナルのゲームを作るなど、α・Z世代攻略のマーケティングにも繋げられる「新しいメタバースづくり」の将来性も視野に入れて企画を進めました。

プロフェッショナルが集うことで、新しいシナジーが生まれる

ー「PLANET-DIVING」リリースまでの道のりとそれぞれどのように関わっていったのかを教えてください。

まずZEPETO内のコンテンツを徹底的に調査・研究しました。人気のワールドなどを実際に試してみることで、ZEPETO全体の空気感や、ユーザー同士のコミュニケーション、ゲームからどのような満足感を得られるのかなどを調べていきました。その実調査を元に“今までにない新しさ”とは何なのか、熟考を重ねた結果、「アバターがエモい空間を浮遊しながら落下するゲーム」というコンセプトにたどりつき、チーム全員で細かい部分などを固めていきました。

ある程度コンセプトが固まれば、実装に向けて動いていくことになります。ここからは博報堂プロダクツとしての強みの見せどころでもありますね。コンセプトをもとに作り上げた“不思議な宇宙ステーション”のイメージでデザインを練り、見えてきたのが“シンプルかつ空気感が伝わるワールド”でした。通常、プレゼンやミーティングで出席者にイメージを共有するときには、2Dのラフを起こして見せることが多いのですが、今回はハイポリゴンの3DCG制作ソフトで制作し、初期ミーティングの段階からリアルタイムレンダリング、つまり、動く状態のものでイメージを共有していきました。デザイナーとしては珍しいやり方だと思いますが、このやり方のほうがメタバース空間という特性上、イメージのズレがないと思ったからです。

全さんによるハイポリゴンのラフをスマートフォンのゲームでもスムーズに動かせるようリダクションをかけていきました。ハイポリゴンで作り上げたイメージを活かして、クオリティをいかに担保するか、細かい調整をかけて、デザイン上のこだわりやZEPETOらしい雰囲気が出せるよう試行錯誤しました。ワールドを活用した将来的なコラボレーションの際に負荷がかかる可能性なども考慮して、盛りすぎていないこともポイントです。

佐藤ZEPETOのゲーム上では、ビジュアルとUI、両方を兼ね備えたデザインが最も重要になります。このこだわりを活かしながらゲームエンジン上でイメージ通りの再現ができるかどうか、崔さんとエンジニアの山本さんの細かなキャッチボールを経て実装に乗せる、という流れを何度も繰り返していきましたね。

山本このリダクションが入るフローを組んだことで、デモ実装までかなりスマートに持っていけたと思います。ゲーム要素を含むメタバースコンテンツの開発は初めてということもあり、我々エンジニアサイドもアイデア通りの実現が可能かもわからなかったので、「とにかく面白そうなことを実装して、全員で試してみる」のを繰り返す作業でかなりの労力と時間を必要としました。その分、色々な気づきや学びもあった工程でしたね。

佐藤苦戦した部分もあって、ミーティングでは毎回、まず全員でデモ状態の検証版を試すことがルーティーンになりました。デモを実際試してみてから話し合い、全員が向かうべきゴールを感覚的に掴んでいった感じです。

長濵個々に様々なメタバースコンテンツを試した経験はあっても、制作のためのアセットや認識は共通ではなく、全員が探り探り進める感じでした。途中、大幅な改修などもありつつも、計画、設計、実装、テストといった開発工程を一年以上かけて慎重に進めていきました。

山村デザイン・UIからアバターのひとつのアクションに掛かる時間に至るまで、チーム全員で実際にプレイしながら徹底的に吟味。企画・調査・実装・検証をとにかく繰り返しました。今回初めてのメタバースゲーム開発ということもあり例外的に制作期間は長期に渡りましたが、ローンチのタイミングが決まったところから完成に向けてブーストをかける形になりました。

実績と各分野の専門性が向上し、新たな展開の可能性が広がった

ー2023年12月の「PLANET-DIVING」リリース後の反応や手応えを教えてください。今後どのような展開が考えられるでしょうか。

山村ZEPETO様からは「PLANET-DIVINGはハイクオリティで、ゲームユーザーにも今までにない体験を提供できている」と言っていただきました。ユーザーの方々からも好評で、人気の動画クリエーターさんに取り上げられて訪問数が増えるといったこともありました。

佐藤メンバーそれぞれがクリエイティブ力を発揮でき、メタバースコンテンツの中でも誇れる実績の一つになったと自負していますし、制作をすべて内製で完遂できたことに強い意義を感じています。博報堂プロダクツらしく、縦割りではなく、3つの事業本部によるフラットな連携が活きた形です。専門性の高いスタッフが集った最少人数のチームで挑めたことも結果に繋がったと思います。いいチームでした。

今後は、マーケティング展開を視野に入れたさらなる開発に取り組んでいきたいと思います。例えば、PLANET-DIVINGのゲーム自体での企業やブランドとのコラボが可能です。空間内のオブジェクトや乗り物などをロゴや取り扱いの商材にアレンジしたり、特別なアイテムをプレゼントしたり、ワールドの背景などでブランドの世界観を表現したりすることが可能です。また、今回の開発で得た知見を活かしたうえで、新たなワールドの構築もできますし、別のワールドとのコラボなども考えられます。ZEPETOのメインユーザーである、何億人ものα世代、Z世代に刺さる仕掛けが様々に実現できそうです。

今回のノウハウやナレッジを、他のメタバース・プラットフォームの制作やPRに活かすことも考えています。各事業本部がそれぞれに知見と経験を獲得できたので「もっとこういう事がやりたい・できる」という可能性も見えてきましたし、不要な工程をカットしたり、実装の可不可を判断したりといったこともよりスムーズになると思います。

成長するメタバース領域。課題解決力を発揮し続ける

ー今回のプロジェクトを通じて得られたものや、今後の目標・展望などを教えてください。

個人的に、今回のプロジェクトを通して使ったことがなかったゲームエンジンを組んだり、ゲームプランナーとしての勉強をしたりと、これからの自分のスキルを伸ばす方向性を再確認することができました。今後はよりマルチなニュータイプデザイナーを目指したいです。そして、人と人とのリアルなやりとりの重要性を改めて認識する機会になったプロジェクトでした。本当に最高のチームでした。

最近は実写に近いハイクオリティ3DCGや、バーチャルプロダクションにおける背景CG制作などを手掛けてきましたが、今回はメタバース領域でのスマートフォンゲームに特化したマップ開発という新しい挑戦ができました。今後ももっと幅広いジャンルや領域での制作に関わっていきたいと思います。また、入社時がちょうどコロナ禍のタイミングということもあり、業務上でもなかなかリアルでコミュニケーションをする機会がなかったのですが、今回初めて、オフラインを主にメンバー同士連携できたことも糧になりました。

山本私自身、普段からメタバースで遊んでいるユーザーでもあり、エンジニアとしてもユーザーとしても意見を言える機会が多く、やりがいを感じられたプロジェクトでした。アイデアを実装できるかという判断を始め、自分の瞬発力を活かせたと思います。今後メタバース以外のAIなどの分野に関しても、臆せずいろいろチャレンジしながらクライアント業務に貢献していきたいと思います。

長濵これまではマーケターとしての業務がほとんどでしたが、ディレクターとしての仕事を拡げていくタイミングでこの案件に携わりました。博報堂プロダクツ内の各部署の狙いなど、それぞれの本音・考え方を以前より深く知ることができたと思います。今後も社内連携を深め、プロジェクトのマネージャーとして立ち回る上で大きな学びになりました。

山村本当に良いチームで価値ある実績を積めた充実のプロジェクトでした。今後はこの業務をどう展開してビジネスとして広げていくのかが重要だと考えています。これでやっとスタート時点に立てた、という想いもありますね。メタバースには理想を現実より先に実装できる力があります。この案件で掴んだメタバースの可能性をどう活かしていけるか。次のフェーズに取り組んでいきたいと思います。

佐藤ZEPETOの国内での人気上昇に貢献できるよう、またPLANET-DIVINGのようなワールドをZEPETO内でのプロモーションに活用いただけるよう、運用と可能性を最大化させていきます。一時期のブームが落ち着いてきたように感じるメタバース領域ですが、具体的に何ができ、クライアントの課題にどう貢献できるのかが明確になりつつあり、博報堂プロダクツもそこに応えられる実力を着実に蓄積してきました。最近では新たなXRデバイスも登場し、メタバースの新しい可能性も拓けてくると考えています。今後もXRコンテンツ、プロモーションに積極的に関わっていきたいですね。

プロジェクトメンバー

統合クリエイティブ事業本部 クリエイティブ三部 佐藤 誠

統合クリエイティブ事業本部 クリエイティブ三部 全 優希

REDHILL事業本部 VFX部 崔 晋瑛

デジタルプロモーション事業本部 クロスメディアプロデュース部 山村 明日美

デジタルプロモーション事業本部 デジタルデザイン部 長濵 湧汰

デジタルプロモーション事業本部 デジタルデザイン部 山本 萌絵

※所属は取材時のものです。